[プレミアリーグ:19-20第23節] リヴァプール vs マンチェスターユナイテッド

はじめに

10年以上ユベンティーノなybalexdpと申します。常々自分の備忘録や将来見返して楽しむために観戦したゲームの記録をやりたいと思っており、今回はその目的+せっかくなので公開してみようという気持ちでサッカー観戦ブログを始めました。なので本当は映像のスクショをペタペタ貼り付けるくらいのもので残そうと思ってたのですが、著作権とかの関係で難しいと判断し、今回のような形で始めて見ます。

スターティングメンバー

所感

リバプールチェンバレンが怪我明け。基本は固定メンツ。
ユナイテッドは久々に試合を見たのでD.ジェームズ、B.ウィリアムズあたりはほぼ初見。3バックなのはリバプール対策なのか普段からなのかすらわからん。

前半

リバプールのセットプレイ

前半8分のFKのシーンです。
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このシーンは最後ファンダイクがヘディングでフィニッシュまでいくのですが、キッカーのアレクサンダーアーノルドが蹴る直前はギリギリオフサイドポジションに位置しています。 ただその瞬間にマネがゴール前に飛び出す動きを見せ、これに合わせるようにユナイテッドの守備ラインが下がります。その結果、ファンダイクがユナイテッドの守備ラインに向かって走り込む形になりマークが外れフィニッシュまでいきます。
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このシーン以外にも、特にセットプレーで、マネやファンダイクがユナイテッドの最終ラインよりも前に位置し、プレスキック直前にユナイテッドの最終ラインが下がるのを見て、オフサイドポジションからオンサイドポジションに位置し、そのまま走り込む形がいくつか見られました。

サイドに開くフィルミーノ

静的には真ん中に位置するフィルミーノですが、ゲームの組み立てに絡むことが多く、ポジションチェンジを繰り返しながらサイドに開いて組み立てるケースが多いです。
前半23分には十八番とも言える視野の広さからチャンスメイクしています。
そのシーンです。
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左サイドでボールを保持するフィルミーノがリンデロフと対峙しています。リンデロフは縦のスペースをケアしながらセンターに切り込まれないようポジションをとっています。
その裏でワイナルドゥムが縦のスペースに飛び込み、マグワイアの重心もそちらに向かっています。こうなると完全に真ん中にスペースが作られ、さらにマネがドフリーになります。もちろんルークショーからは全て見えているのですが、サラーのケアも必要なため絞るに絞りきれません。
フィルミーノが完全にパスを出す体制になっており、普通ワイナルドゥムの飛び出しに合わせるように思ってしまうのですが、さすがはフィルミーノ、お視野が違いますw ほぼ平行にマネにパスを出すのです。リンデロフはセンターに切り込まれないようにポジションをとっていたのでこのパスに少し触れることができますが、カットまでは至らずマネにパスが通るというシーンです。

ワイナルドゥムの飛び出し

当然ワイナルドゥムの飛び出しによる好機を演出する時もあります。
前半35分です。
左サイドででボールを持ったロバートソンがフィルミーノへ折り返します。その際、フィルミーノの左前方のスポットが空いており、そこにワイナルドゥムがポジションをとっています。
ただリンデロフがプレスにきているのでフィルミーノから直接ボールを出すには多少確率的に怪しいです。そこでフィルミーノは後方のチェンバレンにボールを下げます。それと同時にワイナルドゥムが内側に走り込み、チェンバレンからダイレクトでボールが入ります。 結果としてオフサイドになるのですが、サイドで崩しの核を担うフィルミーノの良さが出たシーンでした。

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発展途上のVAR

24分にファンダイクがデヘアとハイボールを競り、デヘアがボールをこぼしてしまい、リバプールにボールを奪われゴールネットを揺らされます。
さすがにGKと体の接触があったのでファールで取り消しかなと思いましたが、一旦ゴールの判定となります。
ただその後VARにより取り消されたのですが、まぁ判定の長いこと。
問題の接触シーンです。
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完全にファンダイクはボールを見ずに背を向けて飛び込んだ形です。個人的にはVAR歓迎派。なんなら10年前から導入を渇望していたくらい誤審が大嫌いで、導入後だいぶストレスフリーにはなりましたが、ゴールした瞬間に大声で叫ぶこともなくなったのは確かに寂しいことなのかも知れません。

リバプールのカウンター

リバプールの真骨頂はやはりこの高速&強烈な3トップによる破壊力抜群のカウンターでしょう。
サラーかマネのどちらかは前線に残る形が多く、自陣からのポジティブトランジションで中盤を省略した形でのロングボールは殺傷能力抜群です。
前半26分のシーンです。

自陣でボール奪取後、画面左奥のサラーにロングボールが入ります。この際前線には、左にマネ、センターにチェンバレンが残っており、フィルミーノはセンターサークルです。
この後フィルミーノはゴール前までスプリントしサラーの折り返しに合わせます。これだけスプリントされてはフリーで打てるはずです。

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守備ラインの重心と視線を外す

ここまで一方的にリバプールの攻勢をピックアップしていましたが、ユナイテッドも前半40分ビッグチャンスを迎えます。 左サイドでウィリアムズがセンターにボールを入れる態勢をとります。リバプールの最終ラインはそれに伴い自陣のゴール方向に重心を傾けます。右サイドにはフリーのワンビサカがボールを要求しながら縦に走ります。

ウィリアムズはボールをセンターには入れず、マルシャルに戻します。同時にリバプールの最終ラインも前に押し上げます。その際縦に走っていたワンビサカはほぼリバプールのセンターライン上に位置どり、フリーとなります。

そこにマルシャルがボールを入れます。ワンビサカは完全にフリーでボールをセンターのペレイラに折り返しますが、軌道がズレてゴールには至りませんでした。

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このシーンではリバプールのセンターラインは重心を上下に視線を左右に揺さぶられています。ゴールライン間際までボールを運び、相手の守備陣を下げ切らせて、再度ボールを手前に戻し、守備陣が前にラインを押し上げたタイミングで空いたスペースを突くのは様々な試合で見ますがシンプルで非常に有効的なのがわかります。

後半

リバプールサイドバックの運動量

リバプールの攻撃のキーは前線のスペシャルな3人も欠かせませんが、アレクサンダーアーノルドとロバートソンの両サイドバックも無視できない存在です。
後半2分のシーンです。

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左サイドでボールを保持しているロバートソンが前線のフィルミーノに縦パスを入れます。その脚でそのままオーバラップ、一気に縦にスプリントします。ボールを受けたフィルミーノはダイレクトで横のマネに預け、自身も前に押し上げます。

ロバートソンはパスを出してから数秒後にはワンビサカを置き去りにし、マネよりも前に出ており、ウイングのポジションをとっています。マネは自身で前に運びながらロバートソンのスプリントに合わせて縦に出します。

ロバートソンはスプリントした勢いそのままにダイレクトでセンターに速いゴロを折り返します。ルークショーはキーパーとのスペースを気にし、全力でそのスペースを埋めますが、サラーはそのスペースに飛び込まず一歩手前でボールを受けるポジショニングをとったため、パスが通りフィニッシュまでいきます。
リバプールの両サイドバックは運動量に加えてプレスキッカーも担うほど精度の高いキックを持っており、攻撃時にはウイングとして加わることでかなり重厚な攻撃の一端を担っている訳です。

前線からのハイプレス

クロップと言えばヘビーメタルフットボールなんていう言われ方もしていますが、とにかく激しく動き、高い位置からも強いプレスが繰り返されるのが特徴の一つと思います。そのプレスでボール奪取までやり切れる時もありますし、相手を追い詰めボールを無計画に蹴らせ、そこ拾ってポジティブトランジションから一気に畳み掛けることもあります。
後半3分のシーンでは左サイドの奥でサラーとチェンバレンに囲まれ中途半端なキックを強いられます。

前にいるマティッチを狙ったのかも知れませんが、後方から走ってきたヘンダーソンがボールを奪い、フィルミーノとの連携で一気にフィニッシュまでいきます。(振り切った左足が放った一撃は惜しくもポスト直撃)

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ユナイテッドに後半最大の決定機

後半13分にマルシャルに最大のチャンスが訪れます。

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左サイドでボールを持っているマルシャルですが、アレクサンダーアーノルドとヘンダーソンんい睨まれる形になっています。ただ右後方にペレイラがポツンと空いてしまっています。ジョーゴメスが唯一対応できる領域にいますが、マルシャルはこの状態から切り込んでシュート、もしくは強引に縦に運んで折り返すことも考えられるためこの位置よりペレイラ側に詰めることが難しい状況です。本来であればチェンバレンがもっと近くにつくべきだったのだろうと思います。
この状態で、マルシャルはやはり空いているペレイラにボールを預けて、自身はアレクサンダーアーノルドとヘンダーソンの間に侵入します。

ペレイラはダイレクトで少し浮かせたパスを前方に出し、見事ジョーゴメスとアレクサンダーアーノルドの裏に飛び出したマルシャルにつながります。ここは浮かさなくても通ったようにも見えますが、素晴らしいパスでした。残念ながらマルシャルのショットはゴールバーの上へと消えていきます。

ペレイラがあの位置でフリーになった時点で勝負ありという感じでしょうか。ジョーゴメスのポジションというよりチェンバレンがもっと下がってタイトにつくべきだったと思います。

スタッツ

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数値を見てもリヴァプールがポジティブなことが一目瞭然です。

下記は時間推移におけるポゼッションです。

前半はほとんどリヴァプールが攻め立てており、先制されて巻き返しが必須なユナイテッドがなんとか前半の終盤に自分たちの時間を持てていました。
ポイントは後半で、立ち上がりからかなりリヴァプールの時間になっています。追いつきたいユナイテッドが前半の終盤の勢いままに、というのがよくある構図かなと思いますが、そこをしっかり叩きに行って自分たちの時間にできるのはさすがです。

最後に

今回はちょっとやってみようという気になった際に見たゲームを対象としたので、ブログ立ち上げから色々考えたりしているうちにかなり時間が経ってしまいました。。
結局チャンスシーンの振り返りレベルのレビューになってしまった感があり、次回以降はもう少しビルドアップやチームとしての攻め方・守備戦術ベースでコンパクトな内容にするなど当面は試行錯誤続けて見たいと思います。