[セリエA:19-20第26節] ユベントス vs インテル

絶対王者と覚醒したライバル

今シーズンのセリエはここ数シーズンとは打って変わって熾烈な上位争いが繰り広げられています。ユベントスが9連覇濃厚と思われてスタートしたシーズンですが、インテルがコンテ政権に変わり、打倒ユベントス筆頭格として反撃の狼煙をあげ盛り上げています。
当時不振だったユベントスを復活させ、8連覇のスタートを切ったのもこのコンテでした。さらにユベントスは悲願のCL制覇に向け、リーグ戦で安定していたアッレグリの解任に踏み切りチェルシーからサッリを招集し、個人的には連覇が途絶えるなら今季なのかなと思ったり思わなかったり。
インテルは新規獲得のルカクと、昨シーズンにプチブレイクしたラウターロの2トップがハマっており、加えてコンテが求めるハードワークをきっちりこなす中盤が全体的なサッカーの質を担保しています。さらに冬の移籍で加入したアシュリーヤングも早期にフィット。ゴディンなどビッグネームも加入し非常に強力なチームになっています。
一方ユベントスは縦のパスワークを中心とした攻撃サッカーに転換を目指すもまだまだ形が作れておらず、なんとかセリエは首位。CLもアトレティコを抑えて首位通過したものの、内容に不満が残るシーズンを過ごしています。

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スターティングメンバー

ホームのユベントスはディバラが先発落ち。ロナウドイグアインドウグラスコスタの3トップ。中盤はゲームメイカーのピャニッチがベンチスタートでベンタンクールがセンターに入ります。
インテルはほぼ固定メンツ。シーズン序盤はゴディンが先発だった気がしますが、気づいたらあんまり試合出ていないっぽい。

ユベントスの攻撃パターン

左サイド

今回ユベントスは中盤がマテュイディラムジー、ベンタンクールという構成ですが、マテュイディが左サイドハーフに近い形をとり、ラムジーとベンタンクールはポジションを入れ替えながら中盤からやや右に位置する形でした。攻撃時は右バックのクアドラードが右サイドハーフのようなポジションをとることもあり、他の試合でもこのような形をとることが多いです。
ユベントスの中盤3名のヒートマップです。

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マテュイディ
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ベンタンクール
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ラムジー

ヒートマップからもわかるようにマテュイディはほぼ左サイドハーフとして機能していました。ただずっと左に張っている訳ではなく、基本は左バックのAサンドロが攻撃時はそこに陣取ります。実際の先制シーンでは左ライン側にAサンドロが位置しており、マテュイディが中盤やや左の定位置から崩しました。

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マテュイディは他の中盤を構成する選手とは違い、唯一スピードで前への推進力を発揮できるタイプです。(と言っても年齢とともに多少衰えは見えてきましたが。)また、2シーズン前くらいまではAサンドロが圧倒的な推進力で左サイドを制圧していたのですが、最近ほとんど縦をブチ抜くシーンも減り、結果マテュイディとのコンビネーションで左を崩すシーンが増えています。
あと左サイドで忘れてはいけないのはCロナウドの存在です。ディバラ、イグアインのどちらかと2トップ気味の構成をとることも多いですが、3トップでも2トップでもさほどプレーエリアは変わらないのが特徴です。基本最前線センターからやや左気味に位置することが多く、マテュイディやAサンドロと左を崩す一角を担うか、そのままドリブルで中央に切り込んでフィニッシュまでいくパターンのどちらかが主です。
対面するカンドレーヴァはCロナウドが中央に切り込まれるのを最優先でケアしないといけなくなり背後のサイドスペースが空きます。ロナウドは強引に打ちに行くケースもありますが前半14〜15分のシーンでは回り込んできたマテュイディに流してチャンスを演出しました。

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右サイド

一方の右サイドですが、右サイドバッククアドラードが攻撃時はかなり高い位置にポジションをとり、クロスもしくはペナルティエリアへの侵入までやってくれます。しかし今回はドウグラスコスタが前線の右にいるので、このゲームに関してはさほど高い位置をとることはありませんでした。
ドウグラスコスタとクアドラードのヒートマップです。

クアドラードが中盤より少し前までを、ドウグラスコスタがそれよりも前に多く陣取っているのがわかります。またクアドラードとAサンドロを比較すると、クアドラードの方がセンターラインよりも前、Aサンドロが後ろにより多く位置しているのがわかると思います。この辺りは上述した中盤の構成や右サイドで言えばドウグラスコスタの出場有無などによって傾向が明確に出ます。また、この試合で言うと後述するカンドレーヴァの攻撃時のポジショニングにも絡むところもありそうです。

サッリが目指すサッカー?

今季ユーベが試みようとしているなと感じるのは狭いスペースにおいて縦パスとコンビネーションで崩そうとする形です。

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中盤でボールを保持すると、基本ロナウドイグアイン(試合によってディバラ)が1列下がってきてボールを受けます。相手DFの強いプレスを受け、前を向かせてもらえない場合は、一度出し手に、もしくは図の例ではマテュイディあたりに簡単にはたくケースが多いです。もし前を向けた場合は、前方へ進出したラムジーへ当て、再度ボールをもらうか、さらに前線に走り込んでいる(図では)イグアインに無理やり通すなど、とにかく縦縦へ細かいパスをつなぎながら進めるシーンを見かけます。
ただ、割と無理なスペースにボールを運ぼうとするため、あっさりとられてしまうシーンも目立っており、これがルールとして徹底されておりサッリの目指すサッカーの一部であるのか、まだ不透明な部分が多いです。

ビルドアップ

ボヌッチミランに移籍する前からユーベのビルドアップはボヌッチが中心でした。縦への速いグラウンダーから裏をつくミドルレンジのパスまで正確に使いこなせるこのセンターバックはセンターライン付近でボールを持つだけで可能性を感じさせてくれます。一方今季から加入したデリフトですが、シーズン序盤はパスミスも目立っていましたが徐々に改善が見られ、縦への鋭いパスやサイドの抜け出しにあわえた裏に出すミドルレンジのパスの正確性も増しています。
ただ基本はボヌッチピャニッチを中心にゲームメイクされます。ピャニッチがいない今回のケースは冒頭にも記載したように成長著しいベンタンクールがゲーミメイクを担うことになりますが、まだ単純なボールロストが多く、信頼がおけません。
ボヌッチから中盤、そこから1列引いてきたアタッカーに当てながら縦へパスをつなぐパターンを中心に、ボヌッチからサイドへのミドルレンジ、上述した両サイドの崩しなどが今シーズンのユーベの特徴と言えます。

インテルの攻撃パターン

中盤を省略した前線へのアバウトなミドルパス

前線のルカクのフィジカルは絶対で、割とアバウトな浮き玉のパスも収めてくれます。さらに決して上背があるとは言えないラウターロもアルゼンチン人特有のフィジカルコンタクトテクニックがあり、こちらも意外とボールを収めてくれます。この2トップにアバウトなボールを当てながらロングカウンター+2トップのコンビネーションでフィニッシュまで行けるのが今季のインテルの特徴のように思います。
ただこの試合ではルカクがエアバトル全敗、ラウターロへの浮き玉パスは皆無でした。下記の数字からもルカクは完全に抑えられていたと言ってよいと思います。

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ルカクのデュエル結果

右サイド

この試合で一番可能性を感じたのがカンドレーヴァです。過去にはセントラルMFも務めることも多かったですが、最近はこの右サイドを完全に主戦場としています。特にタッチラインギリギリまで開いてボールを受けるのが特徴的です。そこから縦への突破からの高速クロスや、内に入ってのミドルショットを武器とします。
カンドレーヴァのヒートマップです。

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カンドレーヴァ

かなりサイドに張っているのがわかると思います。そしてインテルが試合全体通して押されていたにも関わらず、比較的高い位置をとっていることもわかると思います。

ビルドアップ

インテルのビルドアップはボールホルダーに対してブロゾビッチが常に近いポジションをとり、ブロゾビッチに預けてから散らしていくパターンが多いです。現在のインテルにて不動のレジスタです。またキッチリ守備もやるためコンテの好きなタイプで重宝されています。ただクリエイティブなタイプではなく、ブロゾビッチの左右もハードワーカータイプのベシーノとバレッラなので、前線へのミドルパスや両サイドに散らしていくようなシンプルな形が多いです。おそらくここにクリエイティブな要素を追加したくて冬にスパーズからエリクセンを獲得したのかなと思いますが、インテル加入後はベンチスタートが多いです。この試合でも途中出場した後、軽いプレーが多く、コンテの信頼をとるには時間がかかりそうな印象でした。

結果

ゲームの流れ

全体的にユベントスが支配していたゲームと言ってよいと思います。後半立ち上がりはインテルが多少攻勢に出ていますが、その時間帯の終盤にラムジーの先制ゴールが生まれそこからはユベントスペースでした。67分にディバラのスーパーゴールで勝負あり。77分にアレックスサンドロを下げてデ・シリオを投入してからインテルがまた盛り返しますが、2-0でフィニッシュしました。

スタッツ

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まとめ

ユベントスインテルにダブルを達成。インテルは消化試合数が1試合少ないですがユベントスと勝ち点9差。多少ユベントスラツィオの一騎打ちムードに拍車をかける結果となりましたが、まだ1/3ほど残っているのでまだまだわかりません。コロナの影響で最後までやりきれるのか怪しくなってきましたが、ユベントスラツィオインテルの三つ巴の結末をなんとしても最後まで見届けたいものです。

[プレミアリーグ:19-20第23節] リヴァプール vs マンチェスターユナイテッド

はじめに

10年以上ユベンティーノなybalexdpと申します。常々自分の備忘録や将来見返して楽しむために観戦したゲームの記録をやりたいと思っており、今回はその目的+せっかくなので公開してみようという気持ちでサッカー観戦ブログを始めました。なので本当は映像のスクショをペタペタ貼り付けるくらいのもので残そうと思ってたのですが、著作権とかの関係で難しいと判断し、今回のような形で始めて見ます。

スターティングメンバー

所感

リバプールチェンバレンが怪我明け。基本は固定メンツ。
ユナイテッドは久々に試合を見たのでD.ジェームズ、B.ウィリアムズあたりはほぼ初見。3バックなのはリバプール対策なのか普段からなのかすらわからん。

前半

リバプールのセットプレイ

前半8分のFKのシーンです。
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このシーンは最後ファンダイクがヘディングでフィニッシュまでいくのですが、キッカーのアレクサンダーアーノルドが蹴る直前はギリギリオフサイドポジションに位置しています。 ただその瞬間にマネがゴール前に飛び出す動きを見せ、これに合わせるようにユナイテッドの守備ラインが下がります。その結果、ファンダイクがユナイテッドの守備ラインに向かって走り込む形になりマークが外れフィニッシュまでいきます。
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このシーン以外にも、特にセットプレーで、マネやファンダイクがユナイテッドの最終ラインよりも前に位置し、プレスキック直前にユナイテッドの最終ラインが下がるのを見て、オフサイドポジションからオンサイドポジションに位置し、そのまま走り込む形がいくつか見られました。

サイドに開くフィルミーノ

静的には真ん中に位置するフィルミーノですが、ゲームの組み立てに絡むことが多く、ポジションチェンジを繰り返しながらサイドに開いて組み立てるケースが多いです。
前半23分には十八番とも言える視野の広さからチャンスメイクしています。
そのシーンです。
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左サイドでボールを保持するフィルミーノがリンデロフと対峙しています。リンデロフは縦のスペースをケアしながらセンターに切り込まれないようポジションをとっています。
その裏でワイナルドゥムが縦のスペースに飛び込み、マグワイアの重心もそちらに向かっています。こうなると完全に真ん中にスペースが作られ、さらにマネがドフリーになります。もちろんルークショーからは全て見えているのですが、サラーのケアも必要なため絞るに絞りきれません。
フィルミーノが完全にパスを出す体制になっており、普通ワイナルドゥムの飛び出しに合わせるように思ってしまうのですが、さすがはフィルミーノ、お視野が違いますw ほぼ平行にマネにパスを出すのです。リンデロフはセンターに切り込まれないようにポジションをとっていたのでこのパスに少し触れることができますが、カットまでは至らずマネにパスが通るというシーンです。

ワイナルドゥムの飛び出し

当然ワイナルドゥムの飛び出しによる好機を演出する時もあります。
前半35分です。
左サイドででボールを持ったロバートソンがフィルミーノへ折り返します。その際、フィルミーノの左前方のスポットが空いており、そこにワイナルドゥムがポジションをとっています。
ただリンデロフがプレスにきているのでフィルミーノから直接ボールを出すには多少確率的に怪しいです。そこでフィルミーノは後方のチェンバレンにボールを下げます。それと同時にワイナルドゥムが内側に走り込み、チェンバレンからダイレクトでボールが入ります。 結果としてオフサイドになるのですが、サイドで崩しの核を担うフィルミーノの良さが出たシーンでした。

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発展途上のVAR

24分にファンダイクがデヘアとハイボールを競り、デヘアがボールをこぼしてしまい、リバプールにボールを奪われゴールネットを揺らされます。
さすがにGKと体の接触があったのでファールで取り消しかなと思いましたが、一旦ゴールの判定となります。
ただその後VARにより取り消されたのですが、まぁ判定の長いこと。
問題の接触シーンです。
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完全にファンダイクはボールを見ずに背を向けて飛び込んだ形です。個人的にはVAR歓迎派。なんなら10年前から導入を渇望していたくらい誤審が大嫌いで、導入後だいぶストレスフリーにはなりましたが、ゴールした瞬間に大声で叫ぶこともなくなったのは確かに寂しいことなのかも知れません。

リバプールのカウンター

リバプールの真骨頂はやはりこの高速&強烈な3トップによる破壊力抜群のカウンターでしょう。
サラーかマネのどちらかは前線に残る形が多く、自陣からのポジティブトランジションで中盤を省略した形でのロングボールは殺傷能力抜群です。
前半26分のシーンです。

自陣でボール奪取後、画面左奥のサラーにロングボールが入ります。この際前線には、左にマネ、センターにチェンバレンが残っており、フィルミーノはセンターサークルです。
この後フィルミーノはゴール前までスプリントしサラーの折り返しに合わせます。これだけスプリントされてはフリーで打てるはずです。

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守備ラインの重心と視線を外す

ここまで一方的にリバプールの攻勢をピックアップしていましたが、ユナイテッドも前半40分ビッグチャンスを迎えます。 左サイドでウィリアムズがセンターにボールを入れる態勢をとります。リバプールの最終ラインはそれに伴い自陣のゴール方向に重心を傾けます。右サイドにはフリーのワンビサカがボールを要求しながら縦に走ります。

ウィリアムズはボールをセンターには入れず、マルシャルに戻します。同時にリバプールの最終ラインも前に押し上げます。その際縦に走っていたワンビサカはほぼリバプールのセンターライン上に位置どり、フリーとなります。

そこにマルシャルがボールを入れます。ワンビサカは完全にフリーでボールをセンターのペレイラに折り返しますが、軌道がズレてゴールには至りませんでした。

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このシーンではリバプールのセンターラインは重心を上下に視線を左右に揺さぶられています。ゴールライン間際までボールを運び、相手の守備陣を下げ切らせて、再度ボールを手前に戻し、守備陣が前にラインを押し上げたタイミングで空いたスペースを突くのは様々な試合で見ますがシンプルで非常に有効的なのがわかります。

後半

リバプールサイドバックの運動量

リバプールの攻撃のキーは前線のスペシャルな3人も欠かせませんが、アレクサンダーアーノルドとロバートソンの両サイドバックも無視できない存在です。
後半2分のシーンです。

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左サイドでボールを保持しているロバートソンが前線のフィルミーノに縦パスを入れます。その脚でそのままオーバラップ、一気に縦にスプリントします。ボールを受けたフィルミーノはダイレクトで横のマネに預け、自身も前に押し上げます。

ロバートソンはパスを出してから数秒後にはワンビサカを置き去りにし、マネよりも前に出ており、ウイングのポジションをとっています。マネは自身で前に運びながらロバートソンのスプリントに合わせて縦に出します。

ロバートソンはスプリントした勢いそのままにダイレクトでセンターに速いゴロを折り返します。ルークショーはキーパーとのスペースを気にし、全力でそのスペースを埋めますが、サラーはそのスペースに飛び込まず一歩手前でボールを受けるポジショニングをとったため、パスが通りフィニッシュまでいきます。
リバプールの両サイドバックは運動量に加えてプレスキッカーも担うほど精度の高いキックを持っており、攻撃時にはウイングとして加わることでかなり重厚な攻撃の一端を担っている訳です。

前線からのハイプレス

クロップと言えばヘビーメタルフットボールなんていう言われ方もしていますが、とにかく激しく動き、高い位置からも強いプレスが繰り返されるのが特徴の一つと思います。そのプレスでボール奪取までやり切れる時もありますし、相手を追い詰めボールを無計画に蹴らせ、そこ拾ってポジティブトランジションから一気に畳み掛けることもあります。
後半3分のシーンでは左サイドの奥でサラーとチェンバレンに囲まれ中途半端なキックを強いられます。

前にいるマティッチを狙ったのかも知れませんが、後方から走ってきたヘンダーソンがボールを奪い、フィルミーノとの連携で一気にフィニッシュまでいきます。(振り切った左足が放った一撃は惜しくもポスト直撃)

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ユナイテッドに後半最大の決定機

後半13分にマルシャルに最大のチャンスが訪れます。

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左サイドでボールを持っているマルシャルですが、アレクサンダーアーノルドとヘンダーソンんい睨まれる形になっています。ただ右後方にペレイラがポツンと空いてしまっています。ジョーゴメスが唯一対応できる領域にいますが、マルシャルはこの状態から切り込んでシュート、もしくは強引に縦に運んで折り返すことも考えられるためこの位置よりペレイラ側に詰めることが難しい状況です。本来であればチェンバレンがもっと近くにつくべきだったのだろうと思います。
この状態で、マルシャルはやはり空いているペレイラにボールを預けて、自身はアレクサンダーアーノルドとヘンダーソンの間に侵入します。

ペレイラはダイレクトで少し浮かせたパスを前方に出し、見事ジョーゴメスとアレクサンダーアーノルドの裏に飛び出したマルシャルにつながります。ここは浮かさなくても通ったようにも見えますが、素晴らしいパスでした。残念ながらマルシャルのショットはゴールバーの上へと消えていきます。

ペレイラがあの位置でフリーになった時点で勝負ありという感じでしょうか。ジョーゴメスのポジションというよりチェンバレンがもっと下がってタイトにつくべきだったと思います。

スタッツ

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数値を見てもリヴァプールがポジティブなことが一目瞭然です。

下記は時間推移におけるポゼッションです。

前半はほとんどリヴァプールが攻め立てており、先制されて巻き返しが必須なユナイテッドがなんとか前半の終盤に自分たちの時間を持てていました。
ポイントは後半で、立ち上がりからかなりリヴァプールの時間になっています。追いつきたいユナイテッドが前半の終盤の勢いままに、というのがよくある構図かなと思いますが、そこをしっかり叩きに行って自分たちの時間にできるのはさすがです。

最後に

今回はちょっとやってみようという気になった際に見たゲームを対象としたので、ブログ立ち上げから色々考えたりしているうちにかなり時間が経ってしまいました。。
結局チャンスシーンの振り返りレベルのレビューになってしまった感があり、次回以降はもう少しビルドアップやチームとしての攻め方・守備戦術ベースでコンパクトな内容にするなど当面は試行錯誤続けて見たいと思います。